『ネコソギラジカル(上)十三階段』・読了

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

やっと出た出た戯言シリーズ最新刊。
去年の9月から11月に上・中・下を連続刊行予定との広告があった記憶があるのですが、きっとワタシの気のせいだったのでしょう。


巻を重ねるごとに謎に謎を重ね、広げていく大風呂敷をどうやって畳むのか、ほっぽり出してトンずらこくのか。
実際、3:7で後者になるんちゃうかとある意味楽しみにしていたのですが、この作者さん、この(上)で、すでに結構な伏線回収に入っていて、あと二巻で本当に「終わり」になりそうで驚きました。
物語を「終わり」にするのは作者の責任だという彼(彼女?)の矜持がみえて、ちょっと気持ちが良かったです。


しかし、ラスト二巻で登場キャラのほとんどがお亡くなりになりそうな展開。まさかの人まで死亡フラグが立ちまくりのまさにお祭り騒ぎ。最後に主人公が世界の中心で叫んじゃったりするのか、君と僕の物語の正しい終わりを示してくれるのか。素直に物語の終焉に向けて走りそうでもない作者さんに、取り合えず、期待しておきます。
個人的には鈴無音々の「秘密」と形梨らぶみのカットが見れれば満足です。また、地味なところを。


次巻『ネコソギラジカル(中) 赤き征裁 vs. 橙なる種』の発売は未定*1
ですが待つ事にかけては『ガラスの仮面』やら『十二国記』やらを待てるだけでなく、此処にその名を書くのも腹立だしい、手掛けたシリーズをほぼ未完にして、次々新しいシリーズに手をつける極道な作者さんが、15年近く前に四巻でストップしたあるシリーズの最新刊を、まだどこかで期待しているお気楽人間にとっては、そう苦痛でもないですよと強がっておきます。

*1:筆の早いこの作者さんが、ここまで遅れているのはなんか理由があるかもと下世話に心配したり