もう、どうしてよいのかね

この日記を始めたきっかけは「咄嗟の切り返しの一言や知らないはずのない人名・地名が出てこなくなった」という一応二十代にはあるまじき病を憂いた為です。文章をつくれば言語野の刺激になり(ホントか?)、少しでも解消できるのではないかと。
誠に残念な事に、どうも最近、物忘れの病はますますひどくなっていくようで。


寒い夜の事です。
ストーブが苦手なワタシの防寒対策は、毛布を幾枚も引っ被り、ガクガク震えながら寒さを耐え忍ぶ事が基本なのですが、その日は余りの手先の冷たさにキーボードも打てない位で、とうとう滅多と点けないストーブに手を出しました。
部屋も温まり人心地ついたと安堵したその時、ストーブからもうもうと白い煙が立ち昇りました。
「ヤバイ、爆発する!」(をい)と慌ててスイッチを消しコンセントを抜き、部屋の隅の方にストーブを追いやり、逃げ腰で行方を見守りました。
10分ほどたっても沈黙を守るストーブに、ようやくワタシは気付きました。
この事態は、給油ランプが点灯していたにも関わらず、タンクを空っぽにしても強引に使い続けたことが原因なのだと。


ここまでが、すでに笑えないイタイ話で恐縮なのですが、本題はここではなく、この時、「ストーブに給油する油の名称」を思い出せなかったこと、なのです。
「ガソリン、じゃないエジソン……なわけないエンジン?違うな、う〜ん、ただ『油』と呼んでいたっけ?いや、サラダ油入れるんじゃないんだし」と一晩悩み、翌日友人に「灯油」という正解を教えて頂くまで全く思い出せませんでした。


「たま」にだったら「度忘れ」として許せるかもしれませんが、上記のような身体に染み付いているはずの言葉忘れが日常茶飯事だとしたら、その頻度が日に日に上がっていたら、恐怖でしかないです。
脳の一部にぽっかりと黒い穴が空いてしまっているようです。
みっしりと本が並んでいた本棚から、何時の間にか一冊だけ本が抜き取られてしまったような。本と本の間に空いた一冊分の隙間が、埋まらない空白が、怖くて仕方ない。


昔から「ところてん脳」なので(そんな言葉があるのか?)、脳に新しい知識を投入した端から、必要なさそうな古いものは締め出されていってましたが、最近は優先順位の高い物でも脳から押し出されてしまうようで……。


日が過ぎるのが怖いですわ〜。周囲の事柄を無尽蔵に吸収できた、余計なノイズが入らないクリア脳の幼い頃に戻りたい〜。
しかし、あの小賢しく無感動な世界を舐め切った酷い自意識過剰(それは今もか)な、思い出すも恥ずかしい幼少の頃に戻るのもなぁ、嫌だわい。


どちらにしろ、ここまで進んだ始末、後には引けないので、取り合えず「指回し運動」をはじめたいと思います。


以上独言終。