「笑の大学」を観に行って参りました。

狙ったワケではなかったのですが、毎月一日は「映画の日」という事で、1000円ぽっきりで観覧する事が出来て、とってもラッキー。

正直、「笑の大学」映画化には、あまり興味がなかったというか、どうせなら、舞台版を再演してくれよっ!!と思っていた私。
NHKで二年ほど前に放送していた「舞台版」を録画したビデオを、何度も何度も繰り返し見過ぎた為、テープが伸びてデッキに絡ませ潰してしまい、二、三日茫然自失で立ち直れなかった程(今でも、半年前のその出来事を思い出すと、悔さの余り泣けてきます)、このお話・脚本がとってもとっても大好きでして。

舞台を映画化したものを今まで観た事がなく(「蒲田行進曲」は映画→舞台という例はあれど)、好きな漫画がアニメにされて、がっかりした事は数知れず……ゆえ、映画館まで観に行くつもりは、あんましなかったのです。
役所さんが素晴らしい役者さんだという事はわかっているのですが、やはり向坂さんは「西村雅彦」とインプットされてしまっていて。
あと、こういっちゃ何ですが、役者としての稲垣さんにはあまり良いイメージはなかったもので……。

ですが、昨日のド深夜にやっていた宣伝番組をみて、もっぺん、あの話を観たいなぁ〜と、身体が大分回復したのを機に、てこてこと近所の小さな映画館に観に行って参り参りました。

いっや〜、面白かった。
まず、役所さんの演技は見事の一言でした。「すっげぇ〜」とただ感動。あと、喜怒哀楽全ての声が声フェチな私のツボで……。
対する稲垣さんも、しゅ〜んと背中を丸めた子犬のようにみすぼらしい(笑)姿、だけど「笑い」に対する情熱にキラキラと光る瞳が綺麗で、舞台の椿さんとは違う「椿」像をつくっていたと思います。

映画館で、舞台を観るように、周りの人と一緒に笑って楽しめたのは初めの経験だったかもしれません。
とても幸せな二時間ちょっとを過ごせて、満足、満足でした。
DVD出たら、速攻、買いますわ〜。
あと、贅沢いうなら、舞台版のDVDも……出してくれないっすかね〜。


〜以下ネタバレ感想〜



舞台版にはあった、「カラス」のくだりがなかったのは残念。
あと、ラストシーンは、舞台版の方が私は好きです。

「椿 一」のモデルである劇作家さんは、戦地に赴いたまま、帰ってこなかった。だから、舞台版のように「椿は帰ってくる」という希望を残すラストではなく、「もう帰ってこない」事を暗示するシーンにした、との三谷さんのインタビューをみました。

だけど、もう二度と帰って来れないと何処かで分かっていても、それでも、「完璧」と向坂さんに言わしめた脚本を、最後の最後まで「より良い(笑える)」ものにしようとする、そんな二人の姿に私は感動したものでして。
作り物の世界だからこそ、優しい「希望」をみたかった、んですが。

あぁ、でも、その重さを考えると、全てを受け入れ「死」に赴く椿さんとの「別れ」、一人残った向坂さんの姿をみせるべきだ、とも……思えてきたな……。

う〜ん、取り合えず、もっぺん観に行こうと思います。レディースデイに(笑)。

ぶっちゃけ、今日のお客さんで一人、変な場所でデカイ声を出して笑う方がいらっしゃって。あんまり、集中出来なかったてのがあり。
勿論、笑い所は人それぞれだとは思うのですが、最後の警官さんの敬礼で笑われていたのは……ねぇ。